チリ通信(3)チリワイン  

チリの名産と言えばやっぱりワインでしょう。

チリワインはアメリカを筆頭にイギリス・カナダ・日本・デンマーク等世界80カ国に輸出されています。

チリの首都サンチャゴ周辺が産地ですが、この辺は地中海性気候で年毎の気候の変化は比較的安定しており、雨は冬季に集中(降水量は日本の3分の1)し、春から夏の終わりまでは長い乾燥した時期が続き、日中の温度差が20度近くになる。ブドウの木は極端に湿気を嫌い、また温暖で常に陽光に恵まれることを好むので、チリの自然環境は良質なワインを生産するのには最適な土地と言えます。

そのうえ東をアンデス山脈・西を太平洋・北をアタカマ砂漠・南を南極により囲まれていて、いわゆる陸の孤島と言われており、外部からの有害な害虫や病気などの侵入しがたい環境にあり、ブドウ栽培の大敵となる害虫が存在しないことで知られている。そのため農薬などを使う必要もほとんどないので、いわば世界で最も地球にやさしい品質の安定したエコワインが出来上がるといわれています。

せっかくチリに住んでいるのだからワインがどのように造られているか見たいと思い、友人(シニアボランテア3人と若い青年海外協力隊4人)達とワイン列車に乗って大手ワイナリーに見学に行ってきました。

ワイン列車は毎週土曜日に運航されその機関車は大変古い蒸気機関車で、連結している客車に乗っているのはすべてワイナリー見学のお客さんです。発車すると3人のウエイトレスが次から次と赤や白のワインを注ぎにきます。つまり飲み放題です。そしてつまみとして串に刺さったおいしいチーズがでます。

チーズとワインはよく合い、まるでビールと枝豆のような関係です。

その後メキシコのマリアッチのようなギターを持った人がでてきて陽気な歌を歌ってくれます。列車内は大変楽しい雰囲気で、日本の上品な居酒屋のようです。

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(左)ワイン列車の中でのスナップ(右)旧式の機関車の前でのスナップ        

最後に軽い軽食(エンパナーダ)も出してくれました。エンパナーダはひき肉と細切りした玉ねぎ等を餃子のような小麦粉、バター、塩等をこね合わせて作った皮で包んでオーブンで焼いたミートパンのようなもので日本のあんパンより一回り位大きいものです。

ほろ酔い気分で約2時間後にワイナリーのある駅に到着しますが其の駅前で地元の人がダンスで我々を歓迎してくれます。

このダンスは男女が対になってハンカチを振りながら踊る大変楽しそうな踊りで地元では『クエッカ』と呼ばれています。ストーリーがあり男性が『僕と付き合ってよ』女性が『嫌だよー』『そんなこと言わずに付き合ってよ』『嫌よーいやよー』とお互いにゼスチャーをし最後に女性が『つきあうよー』と仕草をして腕を組んで終わるという踊りですが、男性が女性の周りでハンカチを片手で振ったり、両手でハンカチをつかんだり、また足をタップダンスのように動かしたりして女性の気を引くわけですが、其の駆け引きがとても面白く見ていても飽きません。ちょうど鳥の雄が雌にプロポーズする求愛ダンスに似ているかなと思いました。

チリでは小学校でこの踊りを教え、いろいろの行事の時にチリ人は踊るそうです。

そしてバスに乗りワイナリーに行きました。工場はいわゆる装置産業で、また休日のため稼働していませんでしたが倉庫に約50、000リットルクラスの大きな樽というかドラム缶がかなり貯蔵されていました。案内者がいろいろ説明をしながら倉庫に寝かしてあるワインを見学者に飲ませてくれます。これがまたうまい。

そして倉庫から馬車に乗って大きいブドウ園(季節が春のためブドウはなってません)を横きってレストランのある建物に行き、そこでまた説明を聞きながらワインをいただきました。

ワイン列車の中とこのワイナリーで合計約1カ月ぶんのワインを飲んだ勘定ですが帰りのバスの中では飲み疲れでグーグー眠ってきましたが大変楽しい1日でした。

そして私の肝臓もびっくりして『もうかんぞうしてよ』と悲鳴を上げたことと思います。

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(左)駅前での歓迎ダンス(右)ワイナリーレストランでのスナップ

2009年10月  工藤元彦


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